#norelated

#block(width:20%)
//&ref(photo1_1c.jpg);
//&ref(book_shelf_a.jpg);
&ref(ys.jpg);

#block(next,top)
&size(18){電気通信大学};~
&size(18){大学院情報システム学研究科};~
&size(18){人間情報学講座 教授};~
&size(18){博士(工学)};

&size(22){阪口 豊};
#block(end)

*研究テーマ:脳の感覚・運動メカニズムの研究
**''身体性の観点からみた脳の運動戦略の解明''
脳は,信号伝達速度が遅い神経系と反応が遅い筋アクチュエータを用いながらも,この世の中で生きていくために,さまざまな運動を実時間で実行しています.このような「身体性の制約の下での運動制御戦略」には脳の運動メカニズムの特徴が隠されているはずです.制御系や計算システムのモデルを参照しながらそのメカニズムを探るのが研究テーマの一つの柱です.
**''多自由度系としての身体制御メカニズムの解明''
脳の運動制御のもう一つの特徴は,多数の自由度をもつ身体を多数の筋肉を使って制御していることです.このような多自由度で冗長なシステムを操るメカニズムはロボット制御の観点から見ても興味深い問題です.この問題は古くはロシアの研究者 Bernsteinによって精力的に研究され,その後も研究が続けられていますが,問題の難しさゆえにその進歩はゆっくりとしています.しかし,多自由度性はヒトが多彩で柔軟な運動能力を実現できる根幹の性質であり,華々しさはなくとも着実に研究を進めるべき問題です.
**''ヒトの性質に立脚し,ヒトの能力を引き出す情報システムの開発''
仮に,脳が身体や神経系などがもつ制約を活かして効率的に身体を操る制御戦略をとっているのであれば,その制約や性質を考慮した人工システムを付加することにより,ヒトの動きを自然な形で支援するシステムを作ることができるはずです.「補助することでヒトや脳の能力を衰えさせてしまう」のではなく,「補助することでヒトや脳の能力を引き出す」ようなシステムこそが理想的な支援システムです.我々の研究室で開発した「身体運動の可聴化システム」はそのような試みの一例です.
**''技能情報学の展開:技能の実現と習得にかかわる脳・身体メカニズムの研究''
以上で述べてきた問題はつきつめれば「ヒトが技能を実現するメカニズムの理解し技能習得に役立てる方法を生み出す」ための研究をいいかえることができます.今後は,さまざまな技能(工芸,音楽演奏,舞踊,スポーツ,武術,介助動作など)を具体例としてとりあげ,それぞれの分野の専門家(実践者)と議論しながら,身体を効果的につかいこなすメカニズムの理解や機能美の理解,学習法・教育法への展開など,「技能の脳・身体メカニズム」をキーワードとした研究を展開したいと考えています.
**''運動制御に関わる脳内神経表現の解明''
時間方向にも空間方向にも高次元である脳の運動指令に関する情報を,脳神経系はどのようにして表現し,また,生成しているのでしょうか?この問題についても,動物の脳内神経活動を解析している電気生理学者や情報理論を専門とする数理学者と協力をして研究を行なっています.
**''視知覚のメカニズム''
近年は研究の中心からはずれてしまいましたが,視知覚のメカニズムにも興味をもっています.かつては知覚的充填現象(フィリングイン現象)について研究をしていました.視覚メカニズムの研究は日々進歩していますが,時空間的に広がった画像・映像情報を脳が分析・体制化する仕組みはいまだに謎のままです.
*更新履歴 
-3月10日:WIKI版を開設しました.