バイオリンのはなし

先生が替わる

習っていた先生がご事情でしばらくお休みされることになり,しばらくのあいだ新しい先生についてレッスンすることになった.バイオリンを習いはじめて4か月,楽器の構え方から右手の動かし方など基本的な部分をすべて教えてもらった先生がこの時期で交替されるのはある意味残念であったが,(音楽学校の学生が複数の先生に師事することはよくあるが)初心者がこの段階で二人の別の先生から教えてもらうというはなかなかないし,人のつながりを広げるという意味でもありがたい機会なので,気持ちを切り替えて8月から新しい先生の下でレッスンを始めた.最初の先生と新しい先生は,学生時代に同じ先生に師事されていたとのことであった.

当たり前のことであるが,先生方はみな一人の演奏家として個性をお持ちである.個性は演奏の仕方だけでなく,教え方にも現れてくる.これは,大学教員でも,同じ内容を教えるのに教員ごとに方法が違うのとまったく同じことである.

実際,レッスンの進め方や教え方は,同門の先生とはいえかなり違っている.場合によっては逆のコメントを受けることもある.ただ,これは決してネガティブな意味ではなくポジティブなことだと思う.というのは,コメントをその言葉どおりに受け取るのではなくて,その言葉が意味することまで考えて受け取れば,言葉としては逆であっても意味する内容は必ずしも矛盾していないからである.音大の学生が複数の先生に師事する意味が少しはわかる気がする.