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[[バイオリンのはなし>jViolin]]

*カイザー(Keiser)の練習曲
**''レッスンで使う教則本''
バイオリン入門者が使う教則本には鈴木メソッドの本などいくつか定番と呼ばれるものがあるが,私の場合,やはり定番の一つである「新しいバイオリン教本」(音楽之友社)を使っている.この楽譜,「新しい」と書いてあるけれども,それはいまから約50年前に「新しかった」もので今となっては決して新しくない(にもかかわらず,間違いが校訂されていない部分もあるらしい).

教則本が長らく変わっていない(新しい教則本が出てこない)ということで思い出したのだが,日本のピアノやバイオリンの教育方法は以前からずっと変わっていないのに対して欧米では教育方法がどんどん進化しているそうで,日本の音楽学校で学んだ人が海外に留学して「日本で習ったことはいったいなんだったのか」ということがよくあるそうである.そういう意味では,楽器を習うときは海外経験のある先生に教えてもらうのがよいかもしれない.

とはいえ,この「新しいバイオリン教本」というのは,音階や運弓のレパートリーをステップバイステップで増やしていくように作られていて,これはこれで一つの考え方に則って組み立てられていることがわかる.

さて,習い始めてから半年たって,ようやくこの教本の第1巻の最後までたどりついた.この楽譜の最後の見開きには,ドボルザークの交響曲「新世界」の一部(有名なメロディーの部分)とウェーバーの「魔弾の射手」の中の「狩人の合唱」がそれぞれ載っている.この二曲,一方は美しい旋律をゆったりと歌う曲,他方は軽快な調子でリズミカルに弾く曲,というように対照的で,それぞれ練習を楽しむことができるようになっている.
さて,習い始めてから半年たって,ようやくこの教本の第1巻の最後までたどりついた.この楽譜の最後の見開きには,ドボルザークの交響曲「新世界」の一部(有名なメロディーの部分)とウェーバーの「魔弾の射手」の「狩人の合唱」が収録されている.この二曲,一方は旋律をゆったりと歌う曲,他方は軽快な調子でリズミカルに弾く曲,というように対照的で,練習を楽めるようになっている.

(追記:この曲は平成23年の最後のレッスンであげてもらって,新年からは第2巻に進むことになった.せっかく最後だったのでよい状態で演奏したかったのだが,現実にはいま一つ満足できない出来だった.残念!)

このうち「新世界の」の方はメロディーが単純であるにもかかわらず,移絃が正確にできず,音が濁ってしまう状態が続いていた.それを見て,先生が「移絃の練習のためにカイザーの1番をやりましょう」ということでカイザーの練習曲を弾くことになった.

**''カイザーの練習曲''
カイザーの練習曲というのも,バイオリンの練習曲集としては定番中の定番である.ただ,以前見たHPでは,ある程度楽器が弾けるようになってから手をつけるものと書いてあったので,これを弾くのはまだまだ先のことだと思っていた.実際,興味があって先に手を入れて譜面を見たところ,これはまだまだ自分には手が出ないと思っていた楽譜であった.

この練習曲集の1番は8分音符が連続する曲であるが,メロディがよくできていて何度弾いても飽きない曲である.ただ,音程が上下に動き回り,初心者にはとっつきにくい曲である.実際,この曲に取り組むとき,私はバイオリンを始めてから初めて運指番号を楽譜に書きこんで練習を始めた.

10日ほど繰り返し弾いていると,それなりに音だけはとれるようになり,暗譜で弾けるようになった(ただし,音程が正しくとれているかどうかは別).ただし,当初の目的であった「移絃を正確にできるようにする」という目標はまったく達成されず,ストレスフルな練習が続いた.

レッスンの中で「右手の肘の位置を正確にとるように」というアドバイスを受けたもののなかなか自分のものにならなかったのだが,別の曲を弾いているときに「弓が弦に触れる部分をよく見るように」というアドバイスを受けたことにヒントを得て,カイザーの曲を弾いているあいだ,弓と弦の関係をずっと注視するようにしたところ,ようやく弓の位置が安定するようになってきた.もちろん,弓を見ることに集中することで,左手の指の位置を目で確認することはできなくなるのだが,左手指の感覚に注意を向けると,案外左指の位置を目で確認しなくても音程を正しくとれることがわかったのは大きな収穫であった.それでも,この曲を弾くときは注意の資源をフルに動員しないとぜんぜん弾けない.

そのうち,弓と弦の接点をじっと見ていなくても,弓の傾きの角度を視野の一部で見ていれば弓の位置をだいたい捉えることができるようになった.

**''カイザー1番の課題''
こうしてようやく何とか音がとれるようになったものの,まだまだ解決すべき課題はいくらもある.まず先生に言われたのは「音が一つ一つばらばらで,音にまとまりがない」ということである.実際,音一つ一つを正確に弾けるようにするのが第一の目標だったので,そのように指摘されるのはある意味当然である.はたして,音型に応じて4音あるいは8音をひとまとまりとして感じながら弾くように練習を始めたのであるが,これがまた難しい.これは[[「スラーを弾く」>jViolin/Q010]]に書いたことと同じことであるが,
「左手で一つ一つ音をとりながら右手で複数の音を一息に弾く」というように,右手と左手で違うことをするためである.

目下,左右の別々の動きを克服すべき日々格闘中である.