拮抗筋の同時活性化

  関節には,その関節を曲げる筋(屈筋)と伸ばす筋(伸筋)が対になって存在している.これらの筋は互いに反対の作用を生じるため,両者はまとめて拮抗筋とよばれる.関節を動かす際は,これらの筋 のうち一方のみを収縮させるのが効率的と思われるが,実際には両者が同時に収縮する場合が広く観察 される.筋の出す力の一部が相殺され,エネルギーが無駄に消費されることを考えると,同時収縮には脳が身体の動きを制御する上で,それらの損失を補う以上の何らかのメリットがあると考えられる.
 同時収縮の役割を考える上では,

  1. それが骨格系に及ぼす(力学的)効果
  2. その効果と運動タスクとの関係
の二つを解明することが重要である.本研究では,筋 肉の収縮特性や反射系の働きという観点から主に1. について検討し,新たな仮説を提案した.


発表文献

  1. 和田 克己,阪口 豊:主動筋と拮抗筋の同時収縮に関する考察, 計測自動制御学会第4回システムインテグレーション部門講演会論文集,119-120, 2003.
電気通信大学 大学院情報システム学研究科 情報メディアシステム学専攻 人間情報学講座 阪口研究室
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