拮抗筋の同時活性化
関節には,その関節を曲げる筋(屈筋)と伸ばす筋(伸筋)が対になって存在している.これらの筋は互いに反対の作用を生じるため,両者はまとめて拮抗筋とよばれる.関節を動かす際は,これらの筋 のうち一方のみを収縮させるのが効率的と思われるが,実際には両者が同時に収縮する場合が広く観察 される.筋の出す力の一部が相殺され,エネルギーが無駄に消費されることを考えると,同時収縮には脳が身体の動きを制御する上で,それらの損失を補う以上の何らかのメリットがあると考えられる.
同時収縮の役割を考える上では,
- それが骨格系に及ぼす(力学的)効果
- その効果と運動タスクとの関係